トレモロ

満点の空に君の声が 

響いても良いような綺麗な夜。 

 

 

家の周りは住宅街だが、一駅先はかなり発展しているので星は見えない。 

私の帰り道は星が見えるのに、 

好きな人や大事な友達の帰り道には星が見えなかった。 

 

 

星が綺麗だと思いながら、 

好きな人や大事な友達に、

伝えられなかったことを思い出す。 

  

 

悲しいことや、やるせないこと、言ったってしょうがないこと、自分の中で消化すべきことは 

消化しようと思っていた。 

 

でも、それこそが伝えたかったことだった。  

それに気づいたのはいつだったかな。

 

 

 

大事なことはいつだって、私の心の中にあった。 

だから、こうやってブログ書いてるんだ。 

 

言葉は、気持ちを、心を超えていかないから  

全部伝えるなんて到底無理なんだけどさ。 

 

 

ある日、星が綺麗な日に好きな人と川沿いで会うことがあった。上を見たら星が綺麗だった。 

 

その日私は、好きな人から振られた。

好きな人がいるんだと。ずっと気づいていたけど気づかないふりをずっと続けてた。 

壊れたくない関係だった。 

 

悲しい気持ちを

ぎゅっと押し込めて私は、

「知ってたよずっと。星が綺麗だね」 

 

言った瞬間涙が頬を伝ったのが分かった。 

その人の前で泣くつもりなど毛頭なかった。悔しかったからね。 

 

本当に伝えたい思いだけは上手く伝わらないようにできてた。 

 

だから好きだと、君のそういうところが好きだったと言えなかった。 

わかったと言ってしまった。全然わかっていないのに。 

だから、 

 

せめて僕は笑ってみせた。 

 

何故か最後に抱きしめられた。 

あの瞬間だけは 

私は世界で一番悲しかったと思っている。 

  

ずっと頭の中でBGMが流れていた。 

ずっとずっと、トレモロが。 

 

最近は心にもないこともスラスラ 

言えるようになったよ。 

 

だから、真実とはそれだけで 

美しいんだ 

 

口から出まかせ喋って 

人から嫌われないように生きて 

そのくせお前と一緒にするななんて思っている。 

 

私が真実を、本当を話せるのはごく限られた1人2人の友達と、好きなバンドの人くらいである。 

たぶん。 

 

それでも自分の全てを話せるわけではないのである。  

 

大事だから言えないこともある。  

 

そういうことにさせてほしい。 

私の大事な友達。 

私ははっきり言ってなんでも良いから 

私の大事な人たちくらい、

幸せでいてほしいんだ。本当だよ。 

 

 

悲しいことがあったら

 

悲しみが悲しみで終わると疑わぬように

神様は僕に夢を見させた 

 

そうやって思わないように 

大事を大事にしていたい。 

 

 

せめて僕は笑ってみせた。 

真実とはね、それだけで美しいんだ。