100億年先のずっと先まで

 

これからやってくる新しい全て 

私たち2人で懐かしみたい 

 

 

 

ハルカミライの、インタビューを読んだ。音楽雑誌に載っていたものだ。その日私が再生していたのは、100億年先のずっと先までという曲だ。アルバム発売に先駆け、先行で配信していた。曲を聴いた時に心がふわっと浮いて、ドキドキした。MVを電車の中で見て泣きそうになった。 

 

音楽で、音源で涙が溢れそうになったのは久しぶりだった。 

 

 

 

付き合って一年以上経つ彼は、世間一般で言う夢追い人だ。よく他人から「辞めた方が良い」だとか「お金ない人無理」だとか言われる。 

私は彼のことが心底好きで、逆にお金や安定を求めずに頑張ることができる彼のことを好きになったし、誇りに思っている。 

 

なのに、近頃少し不安になることがある。 

 

 

大丈夫だと自分に言い聞かせながら、彼のことを考えると愛おしさと何かわからない涙が溢れ出てくるのだ。 

そういう寒空の帰り道、この曲を聴くのだ。 

 

 

「秘密はこの胸の中 

持って行くつもり墓場まで 

嘘はつかんけれど、黙っていることも優しさ」

この言葉に私は納得して、それから、心に落っこちてきた。

 

二番の同じメロディの歌詞、

「秘密を打ち明けてみた 君にだけ話してみた

現実は変わらんけど 身体が少し軽いや」

「愛想じゃ乗り切れぬ日々の隙間 腹抱えて笑う君がいれば そこは見つけ出した心のオアシス」

 

きっときっと、こんな風な彼と私のことを、彼を悪く言う人達は知らない。こんな、こんなにかっこよくてどこまでも突き抜けるようなあったかい歌のような私達がいることを、誰も知らないでしょう。 

 

知らないから、経験したことがないから言えるんだと思った。不安に思う私をぶっ飛ばしてくれたのはハルカミライと、なによりも大好きな彼だった。 

 

「これからやってくる新しい全て 

私達二人で懐かしみたい」 

 

まるで今から想像する未来の話。 

私は、きっと、一人でも生きられると思う。 

だけどそれでも彼と一緒に生きていきたいんだと心が言う。 

 

そう、 

100億年先のずっと先まで