ロックンロール

 

 

先生の言うことが聞けない奴は皆クズだと思った 

 

幼稚園から、根っからの真面目で生きてきた。 

本当なら上手く手を抜いたり、上手くやりくりできるはずだけど 

私にはできなかった。 

 

不器用だから、真面目だったのだ。 

 

学生まではそれで良いと思っていた 

でもある日 

私は憧れてしまった 

 

先生や周りの反対を押し切り、自分の夢の為に渡米した友達を。 

舞台の上で、自由に歌って叫んで演奏しているロックバンドを。 

 

 

凄いと思った。私はというと 

結局社会人としての道まで親に提案されたものだった。好きな仕事ではあるが心底情けない。 

 

 

レールを敷かれた私の人生 

だけど嫌な思いも沢山したし、大変な思いもしたし、悲しくなったり苦しくなったり沢山したし。 

 

職場の先輩や 

好きだった人 

友達と思っていた人  

そういう人たちから浴びせられた悲しい言葉を 

私は消化しきれずいつも泣いていたように思う。

 

そういう時にイヤフォンから聞こえてきた 

大好きなロックンロールはこうやって言ってた。 

 

あいつのことなら俺がぶっ飛ばしといてやるから!! 

 

思わず涙が溢れた 

 

ハルカミライのファイト!!だった。 

 

何度もそのフレーズに背中を押されて 

職場に向かっていた。 

 

 

少しして私はメメタァというバンドに出会った。  

その日歌ったロックンロールという曲が 

私の胸に真っ直ぐ入ってきた

 

その次の日僕の嫌いな奴に 

嫌なことを言われたけど言い返せなかった 

 

 

私は誰からも嫌われたくない。

好かれてもないのにこういうことを思っている。 

 

 

昨日と同じロックスターが、 

あいつに言えなかった僕の言葉を言ってくれたんだ。

 

 

代わりにぶっ飛ばしとくと言ってくれたんだ。

 

それがどれだけ私の力になっただろう。 

だからロックンロールは私を幸せにするんです。 

 

初めて、自分の好きなロックンロールに理由が付いたように思った。

 

不思議な感覚だった。 

はっきりした理由付けに少し高揚感を覚えた。

 

理由は、こういうことだよね。

 

だから、ロックンロールは、僕を幸せにするのだ。