Lipton
騙されてたっていいよ
グミという札幌のバンドを知ったのは、そのバンドがもう活動していない時だった。
名前は知っていたけどずっと曲は聴いていなかった。ある日誰かがインスタのストーリーにグミを聴いているスクショを載せていて、サブスク解禁されていることを知り、すぐにダウンロードした。
どの曲もすごい好きだったけど、ぶっちぎりでどこぞの紅茶の名前の曲が好きだった。
私の話。
私は昔からかわいいなんて、男の子から言われない人生だった。ずっと面白いとか、それ以外には貶される言葉とかばっかりで、傷ついてないような顔してヘラヘラしてやり過ごしてた。傷ついたように振る舞うのは簡単だしカッコ悪いと思ったから。
ずっとこうやって何も言い出せない自分が弱っちくて情けなくて、大嫌いだった。
そんな私のことも、かわいいと言ってくれる人がいた。他の人が聞いたらドン引きみたいなことも全部受け入れてくれる人がいた
本当に世の中不思議なことが起こるもんだなと思った。
友達と好きな人と3人で飲んで、そのあと好きな人の家に行ったらお友達2人もいたのでみんなで楽しく話してたんだけど
あんまりに友達から散々言われてる好きな人のこと見てて私までお説教して後から死ぬほど申し訳ない気持ちになったし、頭の中でずっとこの曲がぐるぐるぐるぐる回って流れてた。
ごめんねなんて言わせて、ごめんね。
私があげたTシャツにリプトンこぼしたりするのかな。そしたら世界で一つだけのTシャツになるよね。
好きな人がこの曲みたいに私のこと思ってくれていたら良いなって思った曲。
私は好きな人のことを、大丈夫とかそれでも良いよなんて言葉で許せているんだろうか。
許してもらってるだけなんじゃないか。
いつだって笑っていられているだろうか。
「ぱっとしない俺の隣にどうして君がいるのかがとても不思議です。それでもいいよなんて笑う君の声 また思い出してみるよ」
なんで私の隣にいて それでもいいよって笑っていてくれるの??
ずっとフワフワと宙を浮いて、不思議な不思議な気持ち。本当に時間が経ってもそれは全部が当たり前じゃなくて。
「いつか変われたら良いな、て思ってるうちは変われなそうだな
俺ダメダメじゃんか まじ情けないな
こんなんじゃ、かっこつかないかもね。」
これが私の一番好きな歌詞なんだ。
こんな風に思ってるのかなとか、いや、思ってないのか。思っていてほしいっていう、私の勝手な気持ちだな。
カッコつけてほしいとかそんな言い方良くないけど、カッコ悪いとこを知ってるのは私だけで良いとか思ったりして、なんでこんなわがままなんだろ。不思議とこんな風になってしまうんだよな。好きな人相手だと。
私はきっと、ちゃんと出会えたことに感謝してるんだと思う
「やっと探し当てたんだ びっくり箱の中
おっきな瞳の輝きも全部
掴んで離しはしないよ 揺れる君の風景」
例えば全部が脆く崩れたって、
無かったことになったって、
私は、
騙されてたって、いいよ。